Aristoteles, Metaphysica
第6巻(Ε)
アリストテレスはまず、知識の分類とし
て、理論的(物理学、数学、第一哲学)、実践的(人間の行動に関するもの)、技術的(生産に関するもの)を提示す る。
その後、科学として研究できないような出来事(κατὰ
συμβεβηκὸς)について、さまざまな考察を提示する。第一哲学は存在学である。アリストテレスは「卓越した科学は、卓越した存在をその対象としな
ければならない」(1026 a 21)と述べている。つまり、神である。したがって、神学でもある。
[...]
永遠で不動かつ独立した存在があるとすれば、その知識は思弁科学であるテオリアに相当し、物理学には相当しないことは明らかである。[...]
また、数学にも相当せず、両者よりも優先されるものに相当する[...]
第一の科学は、独立かつ不動の存在を扱う。そこには3つの思弁哲学がある。数学、物理学、神学である(神がどこかにあるとすれば、それは
それは不動かつ別個の自然の中に存在する)ということが誰の目にも明らかであるため、最も価値のあるものは最も価値のある分野に専念すべきである。した
がって、思索科学は他の科学よりも高貴であり、この学問(神学)は思索科学よりもさらに高貴である。
形而上学。第6巻、1026a。
アリストテレスの『形而上学』は、全14巻のものであるが、全体としてのまとまりはない。それは、それぞれ別の時期に書かれた論文・講義草稿・ 講義録の類の集成だからである。ただし、 第1巻(Α)- 第3巻(Β)- 第4巻(Γ)- 第6巻(Ε) 第7巻(Ζ)- 第8巻(Η)- 第9巻(Θ) 第10巻(Ι)- 第13巻(Μ)- 第14巻(Ν) の3群は、それぞれ内容的にまとまりが認められ、紀元前2世紀末の著作目録の記述から、元来この書物はこの10巻構成でまとめられ、 第2巻(α)、第5巻(Δ)、第11巻(Κ)、第12巻(Λ) の4巻は、別の独立した著作が後から補足的に追加・挿入されたものだと考えられる[5]。
リンク
かいせつ
第6巻 - 存在
第6巻(Ε) - 存在(全4章)
第1章 - 我々が求めるのは「存在としての諸存在」の「原理」や「原因」である。「理論」と「実践」と「制作」。理論学の三部門。「自然学」や「数学」に対して我々 の学問は「第一哲学」である。
第2章 - 存在の四義 --- 1.「付帯的存在」、2.「真」としての存在、3.「述語形態」としての存在、4.「可能的存在」と「現実的存在」 --- まず「付帯的存在」について。この存在については認識はあり得ない。
第3章 - 「付帯的存在」のあり方とその原因。
第4章 -
「真」と「偽」。「真」としての存在と「偽」としての非存在。この存在も本来の意味での存在ではなく「第一哲学」の対象から除外されてよい。
文献
その他の情報
Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1997-2099
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