Aristoteles, Metaphysica
第1巻(Α)
すべての人間は生まれつき、知ろうとす る。その証拠に、私たちは感覚を喜ぶ。感覚は役に立つからというだけでなく、それ自体が愛されている。とりわけ視覚 が愛されている。行動のためだけでなく、何もするつもりがないときでさえ、私たちは視覚をほとんどすべてのものより好む。その理由は、感覚、特に視覚は、 物事の多くの違いを認識させ、明らかにしてくれるからである。
形而上学。第1巻、980a。21
彼は「第一哲学」について説明している。
これは、物事の第一原理や原因についての知識である。賢者は、物事の理由を知っているため、教えることができる。
記憶や感覚に基づいて物事が特定の方法であることを知っているだけの者とは異なり。第一原因と第一原理についての知識があるため、彼らは従うよりもむしろ
指揮するのに適している(981b
27-28)。存在というテーマを取り上げる前に、アリストテレスは『アルファ』の冒頭で、最初の哲学は推論の公理について論じなければならないと主張
し、最初の原則は、すべての原則の中で最も確実な非矛盾律であると論じている。3
第3章で、アリストテレスは4つの原因に関する自身の理論を展開している。
「そして、明らかに、第一原因の科学を習得することが必要である(我々は、第一原因を知っていると信じるとき、その対象を知っていると事実上言ってい
る)。そして、原因は4つに分けられ、そのうちの1つは実体と本質である(なぜなら、理由は究極の概念に還元され、最初の理由は原因であり原理である)。
もう1つは物質または主体であり、3つ目は運動の原理がそこから生じるもの、
そして4つ目は、これに反対するもの、つまり最終的な原因や善である(なぜなら、これはあらゆる生成と運動の究極の目的だからだ)。我々は『物理学』にお
いて十分に原因について扱っているが(194b 17–20)[...]」
『形而上学』(983a 25–983b)
アルファの本は、タレスからプラトンまでの時代の哲学思想、特に原因の扱いについて分析した哲学の短い歴史も書いている。4
アリストテレスの『形而上学』は、全14巻のものであるが、全体としてのまとまりはない。それは、それぞれ別の時期に書かれた論文・講義草稿・ 講義録の類の集成だからである。ただし、 第1巻(Α)- 第3巻(Β)- 第4巻(Γ)- 第6巻(Ε) 第7巻(Ζ)- 第8巻(Η)- 第9巻(Θ) 第10巻(Ι)- 第13巻(Μ)- 第14巻(Ν) の3群は、それぞれ内容的にまとまりが認められ、紀元前2世紀末の著作目録の記述から、元来この書物はこの10巻構成でまとめられ、 第2巻(α)、第5巻(Δ)、第11巻(Κ)、第12巻(Λ) の4巻は、別の独立した著作が後から補足的に追加・挿入されたものだと考えられる[5]。
リンク
かいせつ
第1巻 - 序論(四原因について)
第1巻(Α) - 序論(四原因について) (全10章)
第1章 -
全ての人間は「知る」を欲する。人間の知能は感覚・記憶・経験知・技術知を経て知恵に進む。知恵または哲学は、「第一の原因・原理」を対象とする「棟梁的
な学」である。
第2章 - 一般的見解における知恵の諸特徴。我々の求める「最高の知恵」(神的な学)の本性と目標。
第3章 - 我々の主張する四原因(形相因・質料因・始動因・目的因) ---
最初の哲学者たちはまず「質料因」を、次に「始動因」を、アナクサゴラスは「目的因」にも気付いた。
第4章 - 彼らの原因の未熟 --- エンペドクレスの二つの相反する「始動因」。彼の「四元素説」とデモクリトスの「原子説」。
第5章 - ピュタゴラス派とエレア派の原因に関する見解 --- ピュタゴラス派では「形相因」(本質)が暗に求められていた。
第6章 -
プラトン哲学の起源。プラトンが設定した三種の存在(諸々の「イデア」「感覚的事物」「その中間」)。この哲学では「形相因」と「質料因」の二種のみが原
因として考えられた。
第7章 - 四原因に対するこれまでの諸哲学者の態度。
第8章 - ソクラテス以前の諸哲学者の原因の使い方に対する批判。
第9章 - プラトンのイデア説に対する23ヶ条の批判。
第10章 - 結論 --- 以上の考察は、求めるべき原因の種類が、我々の主張する通り四つあり、それ以上でもそれ以下でもないことを確証する。
文献
その他の情報
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