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アリストテレス『形 而上学』概説:02: 第2巻(α)

Aristoteles, Metaphysica

池田光穂

第2巻(α)

これは、アリストテレスが説く、私たちが 第一原理を理解し、それゆえに知恵を獲得する方法に対する反論の可能性に対処することを目的としている。アリスト テレスは、無限の因果系列という考えは不合理であり、それゆえに、それ自体が原因となることのない第一原因が存在しなければならないと答えている。この考 えは、第12巻でさらに発展し、そこで彼は「神」の存在を支持する論拠を展開している。

アリストテレスの『形而上学』は、全14巻のものであるが、全体としてのまとまりはない。それは、それぞれ別の時期に書かれた論文・講義草稿・ 講義録の類の集成だからである。ただし、 第1巻(Α)- 第3巻(Β)- 第4巻(Γ)- 第6巻(Ε) 第7巻(Ζ)- 第8巻(Η)- 第9巻(Θ) 第10巻(Ι)- 第13巻(Μ)- 第14巻(Ν) の3群は、それぞれ内容的にまとまりが認められ、紀元前2世紀末の著作目録の記述から、元来この書物はこの10巻構成でまとめられ、 第2巻(α)、第5巻(Δ)、第11巻(Κ)、第12巻(Λ) の4巻は、別の独立した著作が後から補足的に追加・挿入されたものだと考えられる[5]。

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