はならずよんで
ね!
シェリー・タークル『一緒にいてもスマホ』の分析
Turkle, Sherry, Reclaiming
conversation : the power of talk in a digital age. Penguin, 2015

Underground of Hong Kong city, by David
Pan.
池田光穂
● 
シェリー・タークルの著作『一緒にいてもスマホ』の批判的分
析:一緒にいてもスマホ : SNSとFTF  / シェリー・タークル著 ; 日暮雅通訳、青土社、2017年/Turkle,
Sherry, Reclaiming conversation : the power of talk in a digital age.
Penguin, 2015
4章立て12節から成り立つ。
  - 4章とは、1.会話の効用、2.ひとつめの椅子、3.ふたつめの椅子、4.みっつめの椅子、5.この先の進路、6.よっつめの椅子
 
  - 12節は以下のものである
 
  
    - 1. 共感の記録
 
    - 2. 会話離れ
 
    - 3. 孤独
 
    - 4. 内省
 
    - 5. 家族
 
    - 6. 友情
 
    - 7. 恋愛
 
    - 8. 教育
 
    - 9. 仕事
 
    - 10. 公的な場
 
    - 11. 時の刻む一瞬
 
    - 12. 忘却のはて
 
  
●『一
緒にいてもスマホ』の4つの椅子の比喩(最初の3つのもの
は、ヘンリー・ソーロー)
  
    - 1.孤独のための椅子
 
    - 2.友情のための椅子
 
    - 3.社交のための椅子
 
    - 4.哲学のための椅子(Pp.429-430)
     
  
●『一
緒にいてもスマホ』覚書メモ
  
    - 「もしスピノザがスマホに触れたら?」という思考実験(本書と関
係なし)
 
    - 母親が赤ちゃんにおっぱいを吸わせるのはどんな意味をもつのか?それは母親にも子供にも気持ちいいからである
#Bruno_Bettelheim(これはハーバードでのタークルの受講経験より)
 
    - パウル・ティリッヒもハンナ・アーレントと同じ、孤
立(ロンリネス)と孤独(ソリチュード)の区分をたてているのを知る
 
    - シェリー・タークルは機械との対話つまり as if conversation
は、人間同士の本物の会話とは違うというが、そこで往還しているコミュニケーションの質はそれほど変わらないというのが実証派からの反論だろう
     
    - AIでもシンギュラリティでもいつもアホな議論だと思うのはエンジニアの知能中心主義の愚かさ(=タークルのことではない)。普通の人間
がAIに求めるのは利用者に「いつも一緒にいたい気持ち」にさせお節介にならず気遣ってくれる存在だ。だとすれば外面的でもなお「情動エンジン
(emotion engine)」の開発が急務だ。(※emotion engineは、プレステ2用のマイクロプロセッサー(Emotion Engine)
とは無関係)
 
  
  
    - 安物のロボットに高齢者が親密にコミュニケーションしている様を動画でみせられると、昔は「この爺さん/婆さんニンチ始まっているの?」
と思ったけど、自分が高齢者になってからは「小馬鹿にして老人をからかうんじゃねぇ!」と逆にキレるようになる。
 
    - ハーバード出身で現在MITのシェリー・タークル先生。どの作品を
読んでも露骨ではないがビミョーにデジタル・ラッダ
イトの残り香がする。99%首
肯してもその安っぽいヒューマニズムが僕(池田)はどうしても好きになれん。
 
    - ガブリエル・タルドのように、人間というものは、他のものを単純に「模倣するマシン(mimetic machine)」
に過ぎないと考えるのは、どうか?
     
  
●発
達障害の当事者たちはスマホをどのように利用しているのか?
︎火星の人類学者として生きる▶︎火星の人類学者▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎
文献(タークル先生関連)
  
    - Turkle,
Sherry. Psychoanalytic Politics: Jacques Lacan and Freud's French
Revolution (1978)/
 
    - インティメイトマシン : コンピュータに心はあるか  / シェリー・タークル著 ; 西和彦訳, 講談社 , 1984.
     
    - Turkle,
Sherry. The Second Self: Computers and the Human Spirit (1984)/
 
    - Turkle,
Sherry. Life on the Screen: Identity in the Age of the Internet
(1995)/接続された心 : インターネット時代のアイデンティティ  / シェリー・タークル著 ; 日暮雅通訳, 早川書房 ,
1998
     
    - 環境生活としてのコンピュータ  / 久保田晃弘責任編集, ジャストシステム , 1996
     
    - Turkle,
Sherry. Evocative Objects: Things We Think With, (Ed.), MIT Press
(2007)/
 
    - Turkle,
Sherry. Falling for Science: Objects in Mind, (Ed.), MIT Press (2008)/
 
    - Turkle,
Sherry. The Inner History of Devices, (Ed.), MIT Press (2008)/
 
    - Turkle,
Sherry. Simulation and Its Discontents, MIT Press (2009)/
 
    - Turkle,
Sherry. Alone Together, Basic Books (2011)/つながっているのに孤独 :
人生を豊かにするはずのインターネットの正体  / シェリー・タークル著 ; 渡会圭子訳, ダイヤモンド社 , 2018
     
    - Turkle,
Sherry. Reclaiming Conversation: The Power of Talk in a Digital Age,
Penguin Press (2015)/一緒にい
てもスマホ : SNSとFTF  / シェリー・タークル著 ; 日暮雅通訳,
青土社 , 2017
 
    - Left to our own
devices : outsmarting smart technology to
reclaim our relationships, health, and focus  / Margaret E.
Morris
; foreword by Sherry Turkle, MIT Press , 2018.
 
    - 高野泰(2006)「「サイバースペース独立宣言」10周年プラス・アルファ」https://www.tsu.ac.jp/Portals/0/research/19/P077-094.pdf
     
  
その他の情報

Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1997-2099
池田蛙 
授業蛙 電脳蛙 医人蛙 子供蛙





++
Copyleft,
CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099