池田光穂

Octavio Paz, 1950. El Laberinto de la soledad. （オクタビオ・パス『孤 独の迷路』1960, 1970）

いわゆる「他者」なるものは存在しない。すなわち、 これは理性的な信仰であり、人間の理性の有する、癒しがたい信念である。あたかも、すべてのものが遂に は必然的、且つ絶対的に「全一同一」であらねばならないかのように、同一性即現実性という等式が成り立つ。しかし、「他者」なるものは消滅することを拒 む。それは存続し、持続する。それは、理性では歯が立 たない堅い骨であるアベル・マルティン（Abel Martín, 1840-1898）は、理性的な信仰に劣らず人間味のある、詩的な信仰によって「他者」なるものを信じ、「存在のもつ本質的な異質性」を信じ、そして、 自己の存在がつねにその害を被る「他者性」とも呼ばるべき救いがたいものの存在を信じた。——アントニオ・マチャード(Antonio Machado, 1875-1939)（パス （Octavio Paz）「孤独の迷路（EL LABIRINTO DE LA SOLEDAD）」のエピグラムより）［→オクタビオ・パス 『孤独の迷路』読解（親ページ）］

Links

• ︎（Paz_Posdata_clave_cscd.pdf）▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎︎
  

リンク

• ソル・ファナ・イネス・デ・ラ・クルス▶オクタビオ・パス 『孤独の迷路』読解（親ページ）︎▶オクタビオ・パス︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎
  

文献

• El Laberinto de la soledad / Cctavio Paz, Mexico : Fondo de Cultura Economica , 1976 [pdf]
  
• 孤独の迷宮 : メキシコの文化と歴史 / オクタビオ・パス[著] ; 高山智博, 熊谷明子訳, 法政大学出版局 , 1982
• 孤独の迷路 : 素顔のメキシコ人 / オクタビオ・パス[著] ; 吉田秀太郎訳, 新世界社 , 1976
• The labyrinth of solitude : life and thought in Mexico  / Octavio Paz ; translated by Lysander Kemp, Allen Lane the Penguin Press , 1967
  

その他の情報