はじめに よんでください

実践知の世界

El Mundo de la practica

池田光穂


田辺繁治『生き方の人類学』講談社・現代新書[→文化人類学、はじめの一歩人類学の最前線]ノート



【第 1章】実践知の系譜——実践知と は、人が与えた現場で適切な判断をくだすことができる認識と能力の総体のことである

・まず、古代ギリシャにおける知識形態における三分類をみてみよう!

■自由な市民

■メティス(策略知=狡知[こうち])

■プロネーシス(知慮 practical wisdom)=本書では〈実践知〉としている

■実践知の衰退

 機械の中の幽霊

■慣習化された行為(ライル)

■慣習と方法知を区別せよ

■傾向性(disposition)


■ modus operandi :方法知の本質


■L・Wの後期哲学

■治療のメタファー

■言語ゲームの解説

■規則と行動の関係

■(つまり)我々がもつ規則概念の根本的な誤り(p.53)がある

■慣習と訓練が規則にしたがう実践を生む(pp.54-)

■ 生活様式(pp.56-)

■ 心的過程の否定(pp.57-)

■ 言語ゲームの多様性(pp.59-)

■ 言語ゲームの差異化(pp.60-)

■ 言語ゲームの歴史性(pp.63-)

おっと、ここでウィトゲンシュタイン的人類学の構想が出てくる。これまでの「共時的な差異化 と移行の視点」と「通時的な変化」見渡す必要性。後者が、この節で言われる歴史性である。

事例「二世紀以上にわたって形成されてきたアメリカのブラック・コミュニティや・・・難民の 事例を考えれば、そうしたゲームの移行の考えによって文化的な移行を説明することが可能であろう」63頁。

LWも、言語ゲームの内部で規則の変化がおきることを『確実性の問題』で構想していたふしが あるとのことだ。だが、これは1951年の彼の死により中断(放棄?)される。したがってLWに期待するのはやめておこう。人類学が自力で考えるべきこと だというわけだ。

言語ゲームの本質的な一貫性について思いをめぐらすのではなく、その歴史性(時間的経過のこ とではなく、行為者の実践による経時的ないしは偶発的な変化のことらしい)について配慮することが重要であると示唆して、この第二章は終わる。


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